宝石のインクルージョン・傷について
インクルージョン | ・内包物の意味。天然石に多かれ少なかれ存在する異物【固体・液体・気体】など。 ・インクルージョンによって石の魅力が引き立つ事もある。 |
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液膜インクルージョン | ・割れ目の層に液体が浸透して出来たインクルージョン。 ・ある範囲に薄く膜状に広がったインクルージョンの事。 |
カーボン |
・内包されている、黒点のインクルージョンが”カーボン”と呼ばれている。
・ダーク・インクルージョンとも言われている。
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クラック | ・石に入った、内部亀裂の事。 |
クリベージ |
・劈開(へきかい)の事。劈開に沿って石が、割れたり、剥離したりする場合がある。
・傷が劈開に沿って入っている場合、”クリベージ・クラック”とも言い石の耐久性に影響する事もある。
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フラクチャー |
・劈開に起因していない、内部亀裂の事。
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チップ |
・石の一部が欠けている状態。リカットが必要な場合もある。
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キャビティ |
・石を研磨した際に、内部のインクルージョンが表面に出て脱落してしまった状態。そのためルースの表面に穴が空く。
・キャビティより小さく穴が空いた状態を”ピット”と言う。
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スラッシュ |
・その名の通り記号の「/」に見える、細長いインクルージョンが”スラッシュ”と呼ばれている。
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フェザー |
・白く羽毛状に見えるインクルージョンが”フェザー”と呼ばれている。
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ニードル |
・細い針状のインクルージョンが”ニードル”と呼ばれている。
・スラッシュとは違い、複数内包されている事が多い。
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アブレージョン |
・カット石のファセット面の磨きが少し足りず、砂目が残っている様な状態。
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当たり傷 |
・石同士が当たり、ファセット面や稜線に擦れ傷、微小に欠けている状態。
・主に複数の石を、まとめてひとつの袋に入れた際に発生する。海外のルース取扱い業者に多く見られる。
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面傷 |
・石の内部にある亀裂が、表面に出てきてしまっている状態。
・中には、石の耐久性に影響を与える場合があるので、出来れば避けたい。
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ナチュラル
(生地不足)
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・俗に”生地不足”と呼ばれ、宝石質ではない原石の一部が、石に残っていたり、欠損している状態。
・残さず綺麗に取ろうとすると、石目が極端に減ったり、バランスが悪くなる事がある。その際は意図的に研磨せず残す。
・特に希少価値の高い石に、多く見られる。
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リカット |
・再研磨の事。問題のある箇所などを取り除くために行われる。必要とあらば、形を大きく変える事もある。
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ポリッシュ |
・石の表面の光沢をだす最終研磨の事。ポリッシュの出来により石の輝きが左右される。
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宝石の各部名称
テーブル | ・宝石上部の、大きく平らなカット面。 |
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ファセット | ・宝石上部の、外形に数多くつくられた平面的なカット面。 |
クラウン |
・ファセット・カットされた宝石のガードルより上部の事。
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ガードル | ・宝石の外形、周縁部。 |
パビリオン |
・宝石のガードルより、下の部分。裏側の面。
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キューレット |
・パビリオン側(裏面)の先端部分。
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デプス
(深さ)
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・テーブル面からキューレットまでの深さ。
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宝石の主な形状について
ラウンド |
・真上から見た時に外形が、円形の形をした石。
・ラウンドカットと言っても多種多様のカット方法が存在する。軽く数十種類はくだらない。
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オーバル |
・真上から見た時に外形が、楕円形の形をした石。色石の主流の形状。
・色石は採掘された現地などでは、重量(ct)で取引される事が多く、なるべく重量を残すためオーバルにされる事が多い。
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マーキス |
・真上から見た時に外形が、楕円で両端を尖らせた形をした石。
・経験上、最も優れたバランスの比率は、2:1(縦:横)だと思われる。
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ペアシェイプ |
・真上から見た時に外形が、涙形をした石。俗に露(つゆ)形と呼ばれる。
・ペアシェイプと言えど様々なバランスのペアシェイプが存在します。ずんぐりむっくり、シャープな形状など。
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クッション |
・真上から見た時に外形が、ほぼ正四角形で、石全体に丸みを持った石。
・ペンダントやリングのジュエリーに使いやすい形状で、人気もある。
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ステップ |
・外形が、四角形の状態から角を落とした形状。”エメラルド・カット”・”隅切り”とも呼ばれている。
・全てのファセット面が、ガードルに平行に階段状にカットされているため、”ステップ・カット”と呼ばれる。
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ハート |
・真上から見た時に外形が、その名の通りハートの形状をした石。
・バランスのとれたハートは意外と少なく、先端がシャープすぎる、横幅が広すぎる、などやや歪な石が多い。
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宝石の色などに関して
色溜まり |
・石の内部には、不均衡に色が付いている事がよくあり。色溜まりの部分を残すことによって、綺麗な色石になる。
・色溜まり部分を削ぎ落すと、石全体の色が淡くなる。
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カラーバンド |
・宝石内部に存在する、帯状の色帯。サファイアなどによく見られる。
・ほとんどの場合肉眼、10倍ルーペで容易に確認出来る。
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ウィンドウ |
・宝石を真上から見た時に、真ん中が”窓”の様に色がほぼ無い状態の事。色が抜けているなどとも言う。
・石の厚みが薄いと、起こりやすい現象。例外もある。
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ピジョン・ブラッド |
・ルビーのみに用いられる、特別な色名。その名の通り”鳩の血の色”にたとえられる。ルビーの最高色の色。
・日本人からすると、やや濃いめに感じる赤色。
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パパラチャ・サファイア |
・サファイアのみに用いられる、特別な色名。シンハラ語で「蓮の花」の意味。
・ピンク色とオレンジ色が一定の割合で混ざり合った色合い。
・”キング・オブ・サファイア”とも呼ばれ、宝石全体の中でも別格の扱いである。
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コーンフラワー |
・ブルーサファイアのみに用いられる、特別な色名。植物の「矢車草」の意味。
・深く、柔らかみのある青色が特徴である。ブルーサファイアの最高色と称されている。
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ロイヤル・ブルー |
・ブルーサファイアのみに用いられる、特別な色名。
・やや濃いめの青色でありながら、暗みの少ないブルーサファイアに与えられる名称。
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宝石が放つ特殊効果
カラーチェンジ | ・変色効果の事。蛍光灯下、白熱灯下によって異なる色になる。 |
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アステリズム |
・スター効果の事。カボッションの石に光が当たると、4条もしくは、6条のスターが現れる。
・スター効果は、インクルージョンによって現れる現象。
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シャトヤンシー |
・キャッツアイ効果の事。カボッションの石に光が当たると、猫目の様な線が現れる。
・クリソベリル系の石が有名。その他、多種類の宝石に現れる。
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プレイ・オブ・カラー |
・遊色効果の事。オパールに見られる特殊な効果、7色の光彩を放つ。
・遊色効果は、オパールに含まれる珪素(シリカ)による影響。
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その他の宝石用語
コランダム | ・主にルビー・サファイアの事を指す。 |
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コモンオパール |
・遊色効果の無いオパールの事。
・”レッド・ブルー・ピンク・イエロー”など様々な色が存在する。
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