2017/12/26 宝飾業界の色々《展示会編》

~宝飾展は誰のため?~

日本国内で開催されている展示会は時代と共に徐々に増え、現在は代表的な展示会が年四回開催されております。

1月【IJT】国際宝飾展
5月【IJK】神戸国際宝飾展
8月【JJF】ジャパンジュエリーフェア
10月【秋のIJT】国際宝飾展《秋》

と、ほぼ3ヵ月間隔で行われ、3日間~4日間に亘って開かれています。(主催者は2社によるもの)

バイヤー、宝飾関連会社の方のみ入場でき、一般の方は入場出来ない展示会です。

この他にも、大阪、甲府、秋葉原などで中小規模の展示会が開かれております。

当然、回数が多く成る程ひとつの展示会への来場者数は減少、分散し、各展示会での購買意欲は低下します。

『また3ヶ月後に、展示会があるから今度仕入れよう』
『もうすぐ東京であるから、神戸は行かなくていいや』
『またすぐ展示会があるから、今度行けばいいや』と言った具合に…
しかし、出展社が払う出展料は変わりません。

 

《主催者発表による来場者数》

2011年【IJT】35,902人

2017年【IJT】25,779人

6年で、10,123人減少。(約28%Down

東日本大震災、昨今の不景気など様々な原因があっての事だとは思いますが…
勿論、来場者数が全てではありませんが、考えものです。

 

宝飾展への出展料などの経費は非常に高額で、数百万円程度はざらです。(狭くて安いブースもあります)
経費を取り戻すだけで相当な量を捌かなくてはいけません。

出展経費が200万円であれば、400万、500万…それ以上売らなければ元は取れません。
仮に利益率が3割程度ですと600万ほど売って、ようやく200万の経費が取り戻せるといった感じです。
これは、この不景気の中では相当大変な事です。

このように来場者数が減り、出展によるメリットがなくなりつつあります。
しかし、負担する経費は変わらないため、真面目に商いを行っている業者は、出展ブースの縮小、撤退なども見受けられます。
『展示会が増えすぎ、ひとつの展示会での利益が減った』と言う現場の声も聞きます。

展示会の回数は増えて、来場者は減るが、負担金は変わらない。
これでは、主催者が儲けるために展示会を数多く開催していると思われても仕方ありません。

主催者はもっと宝飾業界の未来を想い、出展者の声に耳を傾け、展示会の在り方を考える必要があるかと思います。

真面目にジュエリー業界の事を考えている業者さん程、展示会に対する熱が冷めている印象です…

 

~下火になりつつある中古ジュエリー~

昨今の宝飾展示会は、海外バイヤーをターゲットとした、中古ジュエリーがメインであり、
魅力的な新作ジュエリーや高品質のルース屋さんなどは影を潜めています。
ただ、近年は海外バイヤーの財布の紐も固く、中古ジュエリーも下火になりつつあります。

仮に、中古品を主に扱う出展者が利益を望めなくなり、撤退したら非常に寂しい展示会になる事でしょう。

そういった光景も、そう遠くない時期に現実となるかもしれません…