2ctダイヤモンドリングの製作工程
・今回ご注文いただいたお客様には、2ctのダイヤモンドを当店でご購入いただきました。
内包物はあるのですが、ルーペで見ても“黒点”などは無く、内包物も目立たない程度です。
当店の旧在庫のため、お値打ちにご紹介できたダイヤモンドです。
※今回は製作工程をご紹介させていただきますので、お時間がある方は、ゆっくりご覧下さい。
① まずは、お客様とご相談のうえデザインを考えます。
お客様と、色々とお話しをさせていただき、中石が引き立つようなシンプルなデザインをご希望でしたので、シンプルなデザイン画を数点ご提案致しました。
ご相談のうえ写真のデザインに決定致しました。
② 製作方法は、他に“鍛造”などの方法があるのですが、今回は“WAX(ワックス)”を使用して製作していきます。
写真の青い塊は、“WAX”と言ってロウソクのような素材です。
(個人的には、WAXを使ってのジュエリー製作は、特にどこかで習ったわけでもなく、あまり得意でもありませんが…)
③ まずは、WAXを輪切りにして、内径を指輪のサイズに合わせます。
④ WAXをデザイン画の様に“峰”を作りながら、削り出していきます。
次は、このWAXを専門業者さんにお願いして、地金にしてもらいます。
⑤ 写真のように地金になりました。
リングの表面が、まだ綺麗な状態ではないためヤスリですったり、地金の表面を引き締める作業を行います。
次は、中石枠を手造りで造ります。
⑥ 写真のように中石枠を手造りで造りました。
中石枠は、リングの心臓部でもあるので、丁寧に正確に組み立てます。
次は、中石枠がリングとピッタリ合うようにスリ込んでいきます。
⑦ 腕に中石枠がキッチリと合うように丁寧にスリ込こんでいきます。
この工程を丁寧にしておかなければ、中石枠と腕の部分に隙間ができたり、中石枠が曲がって付いてしまう原因になりかねない。
⑧ 次は、メレーダイヤの位置を決めていきます。
今回のリングに留まるメレーダイヤは大きさがグラデーションになっているので、メレーダイヤ1個1個の大きさを測り、石の間隔を計算し、丁寧に配置して穴を開けていきます。
⑨ 腕と中石枠が出来上がりましたので、腕と中石枠を綺麗に磨き上げます。
隅々まで綺麗に磨いて、腕と中石枠をくっつけて完成です。
⑩ 石留め前の、空枠が完成しました!
メレーダイヤは外注の彫り留め職人さんにお願いして、中石は当店で留めます。
オーダー製作工程・2ctのダイヤモンドリング
石も留まり、完成致しました。ダイヤモンドも2ctともなると、さすがに迫力があります。
今回は、お客様のご希望もあり“枠”は、中石が引き立つ様にシンプルなデザインでお造りさせていただきました。
お客様にもとてもお喜びいただけました。
今回は、オーダーメイドのリング製作工程を、簡単にですがご紹介させていただきました。
実際には、ご紹介した以外にも様々な箇所に気を遣って製作しているのですが、写真でお伝えするのが難しいので、省略させていただきました。
枠の部分は、大半の宝飾店さんの場合ですと、既製の空枠を仕入れ、中石を加工業者さんに留めてもらうだけの作業になるかと思いますが、
当店では、オーダー、リフォームのご注文をいただいた、全てのお客様のためだけにジュエリーを製作するというのが、当店の“信条”ですので、ご注文いただいて一から製作しております。
中石やメレーサイズの石にも【大きさ、形、厚み】などの個性があり、既製の枠に石を留めていくだけの作業ですと、どうしても石が枠に綺麗に合わず全体のバランスなどが、おかしくなることがあります。
そのため、石に合った【石枠の高さ、腕の幅、石の間隔】などを考えて、その都度製作しております。
もちろん、【※一発吹きのキャスト】とは、仕上がりが格段に違うのも要因のひとつです。
私共は、お客様の喜びの言葉を励みに、今後も真心を込め丁寧にジュエリーを造らせていただきます。
~※一発吹きのキャストとは?~
今回の様なリングを鋳造する場合でも、パーツごとに鋳造(キャスト)せずに、一回の鋳造で形を完成させる鋳造方法。
そのため細部まで手が入らず、細部までバシッと綺麗にするのはほぼ不可能。しかし、その反面大量生産するには非常に効率が良い。