オーダー製作工程・トルマリンリング

IMG_7652  360 p◆今回ご来店いただいたお客様には、当店の数多くあるルースの中から『イエロートルマリン』を一目見て気に入っていただき、今回はこのトルマリンを使ったリングを製作させていただきます。

 

当店が10年以上前に仕入れた石で、現在ではなかなかお目に掛かれない“蛍光カラー”の色目、黄金(こがね)色のイエロートルマリンです。

 

 

DSC03716① 360 p① まずは、お客様ご希望のデザインイメージを伺いデザインをご提案させていただきます。
お客様とご相談のうえ写真のデザインに決定致しました。(デザイン画はラフ画です)
中石のトルマリンをメレーダイヤで取り囲み、取り巻き部分の側面、腕の側面にまでメレーダイヤがびっしりの豪華なリングです。
では、製作にかかります。

 

 

DSC03638T② 360 p② まず最初に、中心の中石枠から造っていくため、板地金を用意します。
この地金も精製された新品地金を熔解して板状にしたものです。

 

 

 

DSC03643T③ 360 p③ 写真は、中石枠を合わせ切り出した状態です。
良いジュエリーを造るためには、決して手を抜いてはいけない工程のひとつです。

 

 

 

DSC03654T④ 360 p④ 中石枠を丁寧に形づくり、磨き、板爪を付けました。
中石のトルマリンが留まった時に形が綺麗に見えるように考え、爪の位置を微妙に修正して配置してあります。
パッと見綺麗な三角形に見えても、0.1ミリ単位ですがトルマリンの三角形にもズレがあり、完成した時にそれが気にならないように考えて爪を付けていきます。

 

 

DSC03659T⑤ 360 p⑤ 写真のパーツは、中石を取り巻く部分です。
側面まで、びっしりとメレーダイヤが留まる構造です。
このパーツだけでメレーダイヤが51p留まります。
これらの穴も、1箇所ずつ丁寧に位置を決めて穴を開けています。

 

 

 

DSC03666T⑥ 360 p⑥ 写真は⑤を裏返した状態です。裏側は四角く『裏取り』を施しています。
この裏取りは、極僅かですが目方を軽くし、メレーダイヤに入り込む光を少しでも多く取り入れるためでもあります。

 

 

 

 

DSC03674T⑦ 360⑦ 次は、『座』を造ります。
『座』とは、中石枠の裏面の板の事です。
ここが意外と重要で、座の大きさ、形状により見た目が大きく左右されます。
どれだけ絞るかなどを考えて造ります。

 

 

 

DSC03681T⑧ 360⑧ 写真のパーツは、板状の地金から全てスリ出した物です。
お客様の指サイズにピッタリと合うように、アールもつけてあります。
これもまとめる前に綺麗に磨いておきます。

 

 

 

DSC03683T⑨ 360⑨ 今までにご紹介した、中石枠、取り巻き部分のパーツ、座、をまとめました。
これで、リングの頭部分は出来上がりです。

 

次は、腕を造ります。

 

 

DSC03693T⑩ 360⑩ 写真の腕は【WAX】を使用して、形作った物です。
WAXで削り出した物を鋳造して地金にしました。

 

 

 

 

DSC03700T⑪ 360 p⑪ 色々と加工して写真のようになりました。
後は、これらを綺麗に磨いて、頭と腕をくっつけて指輪の完成です。

 

 

 

 

IMG_8466 360 p⑫ 空枠ですが写真のように完成しました!
残す彫り留めは、外注の職人さんにお願いします。
出来上がりが楽しみです。
彫り留め後は、当店にて中石のトルマリンを留めます。

 

 

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オーダー製作工程・イエロートルマリンのリング

彫留め、中石も留め終わり完成しました。とても豪華な指輪に仕上がりました。

 

今回のような指輪は特に、彫留め、ミル打ちの作業により指輪の出来が左右されてしまいがちですが、非常に綺麗に彫留め、ミル打ちを施していただき文句なしの仕上がりになりました!

メレーダイヤの向きひとつひとつ綺麗に揃っています。

メレーダイヤが留まる縁すべてにミル打ちを施したため、大ぶりな指輪にもかかわらず繊細な感じに仕上がりました。

 

メインストーンであるイエロートルマリンは、現在では探すのも困難になりつつある、
『ビビッドイエローカラー』のトルマリンで通称、“カナリートルマリン”と呼ばれている色合いです。
イエロートルマリンは当店が10年以上前に仕入れた石で、現在仕入れた石であれば到底無理なお値段で販売していた石です。
まるで石全体から“ゴールデンイエロー”が発色されているかの様に感じられる蛍光色で、4.5ctを超える大きさで存在感抜群です。

全体で、1ct以上使用しているメレーダイヤも、非常に綺麗なダイヤが上手く手に入ったので、良いダイヤをご紹介出来ました。かなり綺麗で、揃っていたメレーダイヤでした。

 

お客様には、ボリューム、綺麗さに驚きとてもお喜びいただけました。

ジュエリーを納めさせていただいた時に、お客様にお喜びいただける事が、私共職人にとって一番の幸せであります。
まさに職人冥利に尽きます。