ラブラドライト・ペリドットの婚約指輪

◆今回オーダーメイドのご依頼いただいたお客様には、
ご希望のデザインイメージがございましたので、それに沿ったデザイン画を描きました。

 

今回は手造り製作工程を簡潔にですが、ご紹介させていただきます。

 

 

①職人さんそれぞれに作り方は異なりますが、
私は通常、頭の部分から製作していきます。

まずは、ラブラドライトの石枠を作るためにプラチナ地金を用意し、
プラチナ地金を四角に成形します。

 

 

 

②次に地金を丸く巻き、叩いたり、ヤスリで削ったりして写真のように成形します。

併せて、石枠の「座」も作ります。
石座は、板の形状をした地金をくり抜き作りました。

 

 

 

③石枠と石座を爪を立てながらまとめていきます。

今回の爪は6本爪です。

爪の位置が等間隔になるように丁寧に位置を決め、溶接します。
爪の位置は等間隔でなければ、見栄えに影響します。
間隔の誤差はだいたい0.05mm程度です。

 

④ラブラドライトの石枠は一旦置いておき、
次にサイドに留まるペリドットの石枠を製作していきます。

ペリドットの直径が約1.3mmのため、非常に小さい石枠を作ります。
(大きさの比較に置いたのは、爪楊枝です)

 

 

⑤ペリドットの石枠を製作したら、中石であるラブラドライトの石枠とまとめます。

ペリドットを留めるための爪、石座も作りながらまとめます。

爪はなるべく小さく、目立たず、尚且つペリドットが脱落しないよう考え製作します。

 

 

⑥ラブラドライト・ペリドットの石枠部分はほぼ完成したので一旦置いておき、
次は腕(リング)の部分を作ります。

こちらも、まずはプラチナ地金を四角に成形する所から始めます。

 

 

 

⑦四角に成形したプラチナ地金を丸めて、ヤスリで削り、このようにします。

 

 

 

 

 

⑧今回は、腕を少し曲線のデザインですので、
丸めた地金を切断して曲げ、隙間の間隔をほどよく調整します。

この際に指輪表面の角を取り、丸みを帯びた形状に削ります。

 

 

 

⑨このように、腕の部分と石枠の部分がほぼ完成致しました。

これらを綺麗に磨いた後、合わせて溶接致します。

 

 

 

 

⑩石が留まる前の空枠ですが、このようになりました。

 

あとは、ラブラドライト、ペリドットをセッティングして完成です。

 

 

 

↓完成!

  

今回は、お客様ご自身に『ラブラドライト(ファセットカット)』、『ペリドット』のルースをお持ちいただき、枠製作のみを当店で承りました。

ラブラドライトのシラーがとても美しく幻想的な指輪になりました。

 

納めさせていただいたお客様には、とてもお気に召していただき、私共も大変嬉しく思います。

お二人にとって大切な門出のお手伝いをでき光栄に思います。
そしてお二人にとって幸せな家庭を築けるよう、心よりお祈りしております。