2017/05/11 ◆ジュエリーの修理《後編》

◆ジュエリーの修理について《後編》

 

~ジュエリーの修理はリスクが高い~

修理の場合、他店様のお品物ですと自分で一から製作している訳ではありませんので、
どうしても分からない所が出てくる事もございます。

ジュエリー、アクセサリーの修理は構造などを的確に把握していなければ、しっかりと直す事が出来ません。
ただ闇雲に修理をして、品物が壊れてしまっては元も子もありません。

お客様から伺うお話によると、『お店で買ってくれたジュエリーしか修理を受け付けない』という事をよく聞きます。
他店でお求めになられたジュエリーが断られるのは、リスクが高いのも一因かと思われます。

 

~シルバーは特に厄介~

これまたよくある話で、大半のお客様はシルバーのジュエリー、アクセサリーは安いから、修理も安いと思われている方が多い様に感じます。
その考え方は分からない訳ではありませんが、ジュエリーに関しては逆と言えるかもしれません。

一般的な、Pt(プラチナ)、K18(18金)、SILVER(シルバー)、この中でどの素材の修理が難しいかと聞かれれば、
大半の職人が迷う事なく『SILVER』と言うでしょう。

難しい理由は色々あるのですが、簡潔にご説明すると『熱伝導率』、『ロウ付けの難しさ』、
『仕上げの難しさ』と言った所です。
熱伝導率が高い為に、石が留まっている品物は特殊な機械が必要になる事も。

その為、多くの宝石店、ショップなどではシルバーの修理はお断りしているようです。

当店にも『他店でシルバーの修理は断られた』と言う方が多くお見えになります。

 

 ~場合によっては、高額な機械が必要~

正直、シルバーの修理は大変難しくややこしい物です。
特に『宝石』が留まっている物に関しては、特殊な機械である『レーザー溶接機』がなければ極めて難しくなります。

機会の種類にもよりますが、『レーザー溶接機』は数百万円はする非常に高価な機械です。

そのために修理費用もそれなりに掛かる事をご理解頂ければと思います。

 

~値段ばかり追い求めると…~

お持ち頂いたジュエリーが、以前に他店様で修理してある事がよくございますが、
中にはひどい修理のされ方で、修理箇所が脆くなっている事もあります。

このように修理ひとつでも耐久性を考え直してあるか、見た目だけを重視して直してあるかの違いが出ます。
その為、値段ばかり追い求め過ぎると何度も修理が必要になり、余計に高く付く事も…

 

前編はこちら、→《前編》

 

◆色々な事を書かせて頂きましたが、上記の事を参考にされて、
お客様ご自身が最も納得でき、信頼できるお店を見つけ、修理をお願いするのがベストかと思います。

 

  ジュエリーサロン石垣